Windows10におけるIDEからAHCIへのモード変更

Windows10(21H2)でIDEからAHCIに設定を変更した際のメモ。

使用したマザーボードはASUS P8-H77-MでH77チップセットを搭載し、UEFIBIOS(以降単にBIOSと表記)上でSATAのモードがIDE,AHCI,RAIDに変更できる。このマザーボードにてIDEでセットアップしたWindows10を接続し、AHCIにモード変更して動作させる。

操作方法を誤るとOSを起動できなくなるリスクがあるので、ディスクのクローンを作成するなど適切なバックアップを施したうえで各自の責任で実施してほしい。本サイトでは責任を負わない。

1.初期状態

Windows10(OS)のデバイスマネージャとBIOSの状態を以下に示す。

IDEモードのデバイスマネージャ画面
IDEモードのデバイスマネージャ画面

OS上でIDEモードでは「IDE ATA/ATAPIコントローラー」が認識されている状態をIDEモードとしており、今回はこれを変更する。

IDEモードのBIOS画面

SATAモードの設定はBIOSメニューのAdvanced内から設定できる。(マザーボードメーカにより設定項目は異なる)

2.変更方法

初期状態から操作を行う。なお、ここでのセーフブートとは「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」で設定する一時的なセーフモードではなく、「msconfig」を使用し継続したセーフモードを指す。

ファイル名を指定して実行もしくは任意の方法により「msconfig」と入力しを実行する。システム構成に関連するツールが起動するので「ブート」タブのセーフブートに☑を入れ再起動する。

msconfig画面
msconfig画面

再起動後、セーフモード(解像度が低く、画面四隅にセーフモードと表示された状態)で起動することを確認し、電源を切る。

再度電源を入れ、BIOSメニューを呼び出し、先ほどのAdvanced内SATAモードを「AHCI」に変更し設定を保存して再起動する。

AHCIモードのBIOS画面

上記変更後、OSがセーフモードにて起動する際、AHCIモードに必要なデバイスドライバを認識しセットアップする。デバイスマネージャを確認すると下記のドライバがセットアップされている。

AHCIモードのデバイスマネージャ画面
AHCIモードのデバイスマネージャ画面

セーフモード上にて「msconfig」を起動し、セーフブートのチェックボックスを解除し、再起動する。これにより通常起動すれば成功となる。

更に、チップセットに対応するinfupdateにより、最終的には以下のような状態となった。

AHCIモードのデバイスマネージャ画面infupdate

ポイント

Windows10はセーフブートを経由しないと、IDEモード以外の状態を再認識できない。

補足

他のサイトに記事ではレジストリ変更をすることで有効となる記述もあったが、当方の環境ではそうはならなかった。今回、レジストリ変更は行っていない。具体的には、レジストリ変更(HKLMのstorahci内のパラメータ2箇所)し、BIOS設定をIDE→AHCIしたところ、くるくる画面の後、ブルースクリーン(BSOD:INACCESSIBLE BOOT DEVICE)となりシステムが停止。BIOS設定をAHCI→IDEで復旧した。

おまけ AHCI→RAID

上記の要領で、セーフブートにした後、BIOS設定を「RAID」に変更してOSを起動すると、デバイスドライバが再度セットアップされることを確認した。

RAIDモードのデバイスマネージャ画面

lenovo Twist のBIOS Update

lenovo製ノートパソコンのBIOSをアップデートする機会があったため、その際のメモとなる。本内容は参考としBIOSアップデートにより発生したいかなる損害についても一切の責任を負わない。

lenovo製Twist ThinkPadS230uのBIOSアップデートに先立ち、既存のバージョンを確認する。BIOSメニューは電源ON後lenovoのロゴ表示場面でF1キーを押下することにより表示させることができる。BIOSメニューの「Main」では以下の表示となる。

BIOSアップデート前の表示 1.71
更新前

以下のサイトからBIOSファイルをダウンロードする。

https://pcsupport.lenovo.com/us/en/products/laptops-and-netbooks/thinkpad-twist-series-laptops/thinkpad-twist-s230u/3347/downloads/ds032000-bios-update-utility-bootable-cd-for-windows-10-64-bit-81-8-7-32-bit-64-bit-thinkpad-twist-s230u

当該ファイルをダウンロード後、実行するとインストーラー形式で進行する。あらかじめACアダプタを接続しておく。インストールする場所はデフォルト(C:\DRIVERS\FLASH\gduj33us)とした。(アップデート後同フォルダ内に作成されたWinuptp.logを見ると、ACアダプタとバッテリー容量をチェックしているようだ)その後、再起動を求められる。再起動後、以下の画面となりBIOS更新が行われる。

BIOS更新中
BIOS更新中

更新は消去段階と、書き込み段階に分かれる。上記は消去段階のものである。CPUファンが高速回転で継続するが、進捗を見守る。更新が完了すると再起動する。

再起動後のバージョンをやはりBIOSメニューにて確認したところ下記表示となった。

更新完了 Version1.81
更新完了

無事更新が完了した。

NEC LS550/M のWindows10化

1概要

CPUはCorei5-3230M 2core4論理プロセッサ、メインメモリ容量は4GB、OSはWindows8.1 64bit、1TBのHDDを搭載したモデルである。

2確認した事象

ファイル名を指定して実行にて、explorerを起動しようとすると、メインのexplorerプロセスが再起動する。また、コマンドプロンプト(管理者)を起動しようとしても同様となる。

そこでセーフモードで起動したが、コントロールパネルの要求すらもメインのexplorerプロセスが再起動する状況であった。事実上このマシンではエクスプローラは使えない状態であった。

3復旧への手順(SSDへの移行)

移行手順は現行の環境(HDD)を保存し、戻せるようにするため、以下の表に示す手順にて段階を経て進めることとした。

段階見出し内容
1SSDへ移行SSDを購入しHDDのクローンを作成する
2Win8.1修復Windows8.1のトラブルシューティングを行う
3Win10移行Windows10に更新するクリーンインストール
表1 対応手順

3-1 SSDへ移行

HDDは裏面のねじを2本緩めることで、取り出すことができる。HDD自体はSATAコネクタのみで支持されている。

背面のHDD
裏面のHDD

購入したSSDはWesternDegital(以降WD)のWD Blue 1TBである。交換自体容易に行えることが分かったところで、SSDをUSBにて外付けしWD専用のAcronis True Image WD EditionにてデータのHDDを丸ごとSSDへコピーする。作業完了後、HDDをSSDへ交換する。

SSDへ交換後
SSDへ交換後

3-2 Win8.1修復

SSDからの起動はUEFIを変更することなく通常通り起動した。起動したWindows8.1の修復に移る。当初は容易に修復できるだろうと考えたが、甘かった。以下の手法を試した。

確認したところ、イベントログには以下のイベントが記録されていた。

アプリケーションエラーその1 イベントID 1000
アプリケーションエラーその1 イベントID 1000

explorer.exeがイベントID1000のNTDLL.DLLにてApplication Errorを記録していた。他のイベントも確認したところ、以下のエラーが記録されていた。

アプリケーションエラーその2 イベントID 1000
アプリケーションエラーその2 イベントID 1000

障害が発生しているosのモジュールは別(KERNELBASE.dll)であったもののノートン360もexplorer.exeと同様であった。調査したものの、このエラーに対して有効な解決策は見つからなかった。safeモード(通常ブートで管理者権限のコマンドプロンプトが上記のエラーで開けなかった)での「sfc /scannow」や新規でユーザーを作成(ユーザー固有のレジストリ設定が起因と考え)してみたものの、効果はなかった。そこでオリジナルのHDDにいったん戻し、NEC再セットアップメディア作成ツールによるリカバリーディスクの作成を試みたが、以下のエラーでディスクが作成できななった。

再セットアップメディア作成ツールのエラー
再セットアップメディア作成ツールのエラー

上記エラー(VerifyReady)はそれまでのexplorer.exeやノートン360と異なりイベントログに記録が残らないため、別の原因であると推測されるものの、原因特定には至らなかった。

最後の手段として、SSDのWindows8からWindos10にアップグレードインストールを行った。アップグレードインストールの際は不要なサービス「NT Meter」を停止して行ったものの、驚いたことに結果は変わらずであった。但し、Windows10はデジタルライセンスによる認証が自動で行われ、ライセンス的には問題なくインストールできた。

3-3 Win10移行

Windows8の修復は困難であると判断し、SSDへ再度Windows10をクリーンインストールすることとした。Windows10のDVDブートにてインストールを開始し、問題なくインストールできた。インストール後はWindowsUpdateにて更新を繰り返し行った。デバイスマネージャー上もすべてのデバイスが認識されている。クリーンインストールにより発生していたApplication Errorは記録されず、エクスプローラが使用できる状態となった。

NEC LS550/C のWindows10化

概要

Windows7 Home Premium64bitを搭載したノートPC (型式:LS550/C) を アップグレードインストールにてWindows10 Home64Bitにすることにした。このマシンはCPU がCoreI5メインメモリは4GBである。

クローン作成とSSDへ

ハードウェアをHDD 500GBからSSD 1TBに変更した。
あらかじめ、USB接続にてHDDの内容をSSDにクローンを作成し(Acronis True Image WD Editionを使用)、交換作業を行った。

1.HDDを取り外す
 バッテリーを取り外し2本のねじをはずすとHDDを取りはずせる。

2.SSDを準備する
 HDDをくるんでいる半透明のカバーを外し、SSDに取り付ける。これをしないとSSDを外せなくなる。

上:HDD 中:半透明カバー 下:SSD

3.SSDを取り付ける
 SSDはHDDより若干厚みが薄いことから、上部に余裕が生じる。2本のねじで止められるよう底部を下に向けた状態でねじ止めする。

右から左側に押し込む
下部方向にSSDが2本のねじにて固定される

4:BIOSで確認

1000GBとして認識されている

Windowsのアップデート

SSDとなったWindows7上にてメディア作成ツールで作成したWindows10のアップデートDVDからセットアップを開始した。
 しかし、進捗20%代の再起動後以下のようなエラーが発生した。

アンチウイルス系のソフトはあらかじめアンインストールしていた。常駐しているプログラムをことごとく停止したが変化はなかった。条件を変えて3回リトライしたがいずれも上記の通りであった。
 インターネットで調査したところ、NX_PAD(タッチパッド「プログラムと機能」から削除)とO2ドライバ(SDカードリーダー関係「デバイスマネージャ」から削除と「サービス」から削除)が原因として有力となった。さらにWindows7のサービスを調査したところ、NEC独自の「NT Meter」というサービスが開始されていたのでこちらも「サービス」から無効にした。

上記のほかにデバイスマネージャからO2ドライバー(SDカードリーダー)を削除する

上記の対応によりWindows10 Homeにアップデートできた。なお、タッチパットとSDカードリーダーはMicrosoft標準のドライバが割り当てられ動作した。

Intel(R) Rapid Storage Technology の動作メモ

Windows10をIntelの旧チップセットで運用する際、使用しているIntel(R) Rapid Storage Technology (Intel(R) RST)のバージョンについてまとめることにした。 本ツールを使用することでRAIDアレイの状態を管理することができる。
 環境により挙動が異なるため参考情報として扱ってほしい。また、本内容を実施し、データ損失等が発生したとしても責任は負わない。

ハードウェアの異なる複数の環境でIntel(R) Rapid Storage Technology を運用しているが、紆余曲折の末、以下の組み合わせとなった。

表1.チップセットとバージョンの組み合わせ

Noチップセット Intel(R) RST バージョン
1P3512.8.0.1016
2Z7714.8.16.1063

どのバージョンでもデバイスマネージャーの記憶域コントローラーで表示されるデバイスドライバーは「iaStorA.sys」となる。このデバイスドライバーに「iaStorAVC.sys」なるドライバーが読み込まれている場合、 Intel(R) Rapid Storage Technology は使用できない。この場合、iaStorA.sysは Intel(R) Rapid Storage Technology のセットアップファイルである「SetupRST.exe」を実行するとシステム内に展開されることから、デバイスマネージャーの記憶域コントローラーで表示されるデバイスドライバーを手動で「Intel Chipset SATA RAID Controller(v 14.8.16.1063 )」を指定して更新する。

v 14.8.16.1063 の場合

指定後再起動すれば、 Intel(R) Rapid Storage Technology を使用できる。

v 12.8.0.1016 の場合

バージョンの互換性について

一度RAID1のアレイを構築したディスクにおいて、片方のディスクをはずし、単一デスク(デグレード状態)で動作していると、表1のNo1の環境で上位のバージョンを実行する(P35チップセットでv14.8.16.1063にて動作)ことができる。しかし、もう一台のディスクを追加(リビルド状態)ではWindows10は起動するものの、Windows10のロゴが表示されくるくるの状態でHDDへのアクセスが途中でなくなりシステムが停止する。追加したディスクが原因と考え、追加ディスクにオール0を書き込み(デグレード状態-non member disk)しても同様であった。

そのため、追加したディスクを取り外し(デグレード状態)し、Windows10を起動させて v12.8.0.1016 Intel(R) Rapid Storage Technology をインストールした。その状態で オール0 を書き込んだディスクを再度アレイに加入( デグレード状態-non member disk )としたところ、Windows10を起動できた。
 そこで、RAID BIOSにて当該ディスクを再度アレイに加入させて起動(リビルド状態)したところ、また Windows10のロゴが表示されくるくるの状態でHDDへのアクセスが途中でなくなりシステムが停止する状態となった。

そのため、また追加したディスクを取り外し(デグレード状態)し更に、「msconfig」にてセーフブートで起動する。セーフブートで起動することを確認した後、ディスクを2台に戻し(リビルド状態)としてセーフブートすると、Windows10がくるくるで止まることなく起動できた。
 セーフブートにて「msconfig」を実行し、通常スタートアップに設定し再起動する。これで通常の運用が可能になった。

ポイント:
RAID1にて単一ディスク(デグレード)から2台ディスク(リビルド)にするためにはセーフブートで立ち上げてから!